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ジダン・本当の侮辱発言の意味

ジダンが何を言われたか、明らかになりました。
日本では「売春婦のテロリストの息子」と訳され、「売春婦という言い方は、南ではよく使う」と解説されているのをみました。

違いますよ!
間違いじゃないけど、ちがいます!

ジダンは、売春婦を意味するプッターナ・イタリア語、ピュッタン・フランス語と言われたのではなく、それを縮めたピュットゥといわれたようなのです。

この二つは全然意味合いが違います。

元の意味はどちらも売春婦です。でも、前者が非常に日常でよく使われて、1日1回は最低きくのにたいして、後者は私は4年のフランス生活で一度も日常できいたことがありません。それほど恐ろしく下品で侮辱的な言葉なのです。少なくてもフランスでは。

フランス人に言わせると、前者の「売春婦」のイメージは、古代から続くよい?売春婦のイメージも含むのだそうです。なので日常でもよく使い---ただし、女性や、男性でも下品で教養のない男と思われたくない人は使わないように!---ひじょうによく耳にします。下品な言葉を若者の男性はわざと使いたがったりするのはどの国でも同じですが、ピュッタンなら、先生や心ある親に怒られるでしょうけど、まあ許容範囲でしょう。

でも後者の縮めたピュットゥは違います。もう、最低の売春婦というか、メス犬というか、トイレで売春しているみたいな、最低最悪の言葉なんです。

私はテロリストという言葉に怒ったのかと思っていましたが、フランス人の上記の説明を聞いて納得しました。これは母への侮辱です。
特に南の人は、家族愛が強く、母親への愛情が強いですから。
もちろん、この言葉がジダンに使われたのは、彼が北アフリカの元フランスの植民地−−正確にはフランス領土の出身で、イスラム教徒と思われているからです。−−−彼がイスラム教徒かどうか、私は知りません。でも、周りはそう思うのでしょう。「アラブの国から来たテロリスト野郎」と。

いまテレビを見ていたら、ある日本人の元サッカー選手が「言葉だけであんなに怒るなんてありえない」みたいなことをいい、番組が「いろいろストレスがたまってたんでしょうか」みたいなノリになってしまった。

とんでもありません!!!!!

日本人のみなさん、よーーーーく聞いてください! 日本語には、その一言だけで、相手をものすごく侮辱する恐ろしい言葉はありません。日本語には存在しないんです。私はよくフランス人の特に若い男性に、冗談で下品な言葉を「これって日本語でどういうの」と聞かれる事がありますが、訳がないのです。私が知らないのではなく、存在しないんです。かなり下品な言葉程度ですらそうです。ましてや、一言で相手をおとしめて侮辱する言葉なんて、日本語にはないんです。どんなに向こうが聞いてくるすごく下品で侮蔑的な言葉を翻訳しても「このやろう」とか「くそ野郎」とか「お×××野郎」程度になってしまう。この程度の下品さじゃないんです。しかもこれらの言葉は下品だけど、侮蔑的で相手に屈辱を与えるかというと、そんなことはない。日本語にはそういう言葉がないのです。このことを忘れてはいけないです。

(このブログを読んだある方より、「シェイクスピアの翻訳をはじめた明治以来、日本語の語意には罵倒語が少ない、とはずっと言われてきたことです。」という返事が来ました。そうなんだ。。。うーん。差別語は日本語にももちろんあるけど、罵倒語は確かに少ない。上記に「ない」と書いたのは言いすぎだという指摘もコメントでいただいたのだけど、比較の問題で、フランス語に比べればないのと同じというのが率直な感想なのです。ハンガリーに住んでいる人からも「まったく同感。ハンガリー語も罵倒語はものすごく豊富」というメールをもらいました。でも、なんでなんだろう???)

知り合いのフランス人は、マルセイユ近郊のひとです。彼は教養があるほうで、サッカーはあまり興味がありません。やっぱり黒人ばっかりでしっくりこないみたいで、しかも粗野なスポーツという意識があるからのようです。
最初は、この問題も「アホなイタリア人が、アラブ人に罵詈雑言をいうなんて、サッカーらしい」と冷ややかでした。
ところが、ジダンが言われたのが「ピュットゥ」という言葉だと知ったとたん「それはひどすぎる。ジダンが怒るのは当たり前だ。あんなことを言われて、頭突じゃ甘すぎるくらいだ」と態度が一変しました。

なんでも、フランスのスポーツ最大新聞レキップ紙も、彼が言われた言葉がわかったとたん、彼に謝罪する記事をのせて「厳しく批判しすぎた」と謝ったそうですね。

それくらい、このピュットゥという言葉は侮辱的でひどい言葉なんです。

あと、友人はジダンがアラブ人でないことは知っています。フランス人ならみんな知ってます。くどいようですが、彼がシラク大統領も認める国民的英雄になったのは、彼がアラブ系じゃないからです。
でも、アルジェリア--イスラム教国−−アラブ人という公式が人々の頭に染み付いていてしまっているのです。

ここで、私が前の記事に書いた、彼がアラブ人ではなく、ベルベル人カビル族の出身であることを思い出してほしいです。どんなに彼が複雑な思いでいるのか、どんなアイデンティティをもっているのかは、本当にわかりませんけど。。。

フランスでは、そんなこと公に質問したら、それこそ人種差別的質問になってしまうでしょう。みんなわかっていても、みんな疑問に思っていても、知りたくても、公に言葉に出していえないことがあるのは、日本でも同じ、どの国も同じだと思います。そのことを、私は偽善と非難するつもりはありません。

ともあれ、そんなごく一般的な南仏のフランス人ですら、この「ピュットゥ」という言葉には憤慨して、ジダン擁護にまわっている、いや、フランス全体が擁護にまわっている、それほどひどい言葉であることを、どうかおぼえてください。

イタリア人は日本で「マザコン」と思われてますが、これは日本でのイメージだけじゃなくて、フランス人も思っています。それなのにこういう台詞をイタリア人が言ったというのは、イタリア人らしいというべきなのかしら。。。

ところで、あのイタリア人選手は、イタリア語でいったのでしょう。なぜフランス人のジダンが理解したかというと、やっぱり言葉が似ているからでしょう。私だってわかります。それにジダンはイタリアでのプレーの経験もあります。それに、南仏は歴史的にもバカンス客でもイタリア人が多い。南仏のフランス人は、イタリア語の下品な言葉はたいてい知っています。もちろん元々言葉が似ているので、覚えやすいこともあるでしょう。

南仏のアラブ人・イスラム教徒に対する反感は、以前かいた「元旦の恐怖の列車」、南仏にイタリア人、特に南イタリア出身者が多いことは「祖国とはなにか」だっけ? と題した過去の記事をご覧になっていただけると書いてあります。よろしかったらご覧ください。

ああ、イタリアでどういう反応が起きるのだろうか。。。
それにしても、人種差別反対の声明を、試合前にキャプテンが読むとは知らなかったです。

※もしこれを読んでいるあなたが、ジダンのことが気になる人だったら、ぜひ「ジダンはなぜ頭突きしたか」というページを見てください。こちらが私が声を大にして言いたくて、日本人に知ってもらいたいことなのです。

★追記
ジダンの公式インタビューを見ていて、それにまつわる報道を見ていて、わけがわからなくなりました。私はフランスでの報道をもとに上記の文を書いています。フランス語では「ピュッタン」とそれを縮めた「ピュットゥ」の意味合いがまったく違う事は、前に書きました。フランスでは、ジダンは「ピュットゥ」といわれたと考えられているのです。
イタリア語ではどうなんでしょうか。プッターナ、つまりフランス語でピュッタンのほかに、フランス語で言う「ピュットゥ」にあたる言葉はあるのでしょうか。あるとしたらそれは、プッターナと違って、ひどい侮辱的な言葉なのでしょうか。そしてイタリアの選手がいったのは、どの言葉なんでしょうか。
イタリア語に詳しい人、教えてください。
お願いします。
報道によると、イタリアではむしろ「売春婦」のほうはたいした問題になっておらず、「もしテロリストといったなら、完全にイタリア選手がわるい」という論調になっているそうですが、これも本当でしょうか。まあ、確かに政治的には、「テロリスト」発言のほうが大問題ですけど。。。
こちらもイタリアに住んでいる方、知っていたら教えてください。気になって仕方ありません。

★またまた追記
このページと、この前に書いた「ジダンの生地で頭突きを考える」は、合計4000近くのアクセスになりました。読んで下さった方、ありがとう。
でも、なんで突然こんなにアクセスがはねあがったのかな。何かに紹介されたのでしょうか。何をご覧になってここにたどり着いたか、コメントで教えてもらえませんか。気になって仕方ありません。よろしくお願いします。


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コメント 27

NO NAME

確かに 日本語にはフランス語のそれ以上に相手を中傷する言葉が無いと言い切るのは行き過ぎだし、それは認めるべきでしょう。 ただ、フランス文化を知る上で参考にはなりました。

僕の意見としては、何を言われても暴力はいけない。それだけです。
by NO NAME (2006-07-20 13:18) 

ええ

本当に「ピュットゥ」であればマテラッツィは何されても文句言えませんわ。
翻訳などしていると、言葉=歴史であると痛感しますね。
日本語にはない言い回しや比喩によく悩まされます。
by ええ (2006-07-20 20:16) 

NO NAME

>なぜフランス人のジダンが理解したかというと、やっぱり言葉が似ているからでしょう。

トリノでプレーしていたから。
by NO NAME (2006-07-21 08:53) 

twinkle

はじめまして。
こちらのサイトを読んで、気持ちが救われてきました。
カビル族のこと、日本語に無いほどの表現であったこと、初めて知りました。
日本のワイドショーや英国の煽り報道では釈然と出来ず、今日まで涙にくれていました。

ジダンはアルジェリア移民2世なのに白い肌で青い目なのは不思議でした。
確かにあの風貌だからこそ「フランスの」国民的英雄となった気がします。
ルキップが急に謝罪したような態度になったり、ジダンを守ろうとするフランス、その言葉の意味。
なんだか推理小説を読んでいるような気がしました(苦笑)。

日本ではそろそろこの話が聞かれなくなり、フランス語が判らないのでその後の顛末が知りたいところです。
ぜひ、また続編を教えてください。
by twinkle (2006-07-25 01:03) 

Sally

ジダンの記事を読んでコメントを書いてくださった方々、ありがとうございます。ジダンの記事2本の反響はものすごく大きかったです。
ところで、ある日突然アクセス数がはねあがったのですが、どこかの掲示板で私のブログ(記事)が紹介されたのでしょうか。
ご存じの方、教えてもらえませんか。
よろしくお願いします。
by Sally (2006-07-29 23:13) 

キキ

私もフランスに住んでますが、サッカーのことは興味がないのでジダンの話は日本のあるサイトを通して真相(?)を把握したつもりでした。ここにはレキップ紙のサイトを探そうとして偶然見つけた。(グーグルで検索すると1ページ目に乗っていました)やはりメディアでは真相って語られないんですねと思ったのが感想です。
by キキ (2006-08-18 13:27) 

swi

exciteのニューストップ>リンクポスト>に記事紹介で出ていたので見に来ました
by swi (2006-08-27 18:52) 

ANDO

はてなブックマークの注目記事から見にきました。
by ANDO (2009-02-06 19:13) 

ROLLSTONE

TUMBLERにQUOTEされてたんでみにきました
by ROLLSTONE (2009-02-06 23:46) 

NO NAME

はてなブックマークからきました
by NO NAME (2009-02-07 02:25) 

NO NAME

同じくはてなから。

この記事自体は深く読んでませんが突っ込み所はいろいろあるみたいですねぇ~。
>私は4年のフランス生活で一度も日常できいたことがありません。
俺は毎日のように聞く。

>彼がアラブ系じゃないからです。
はぁ~?!

付け加えますがジダンのサッカーセンスに文句を言うために書き込みしてる訳ではありません。
by NO NAME (2009-02-07 02:36) 

chika

何も書かないのも返って失礼かと思いコメントさせていただきます。

私もはてなブックマークから来ました。
ジダンの話は今更ではありますが、大変わかりやすく興味深い話でした。なるほど。
日本語には深みのある罵倒語彙が少ないですが、
通常の言葉の組み合わせや言葉運びで雰囲気悪くしたりする度合いは他国に引けをとらないかと思います。そんな事考察してもしょうがないのですが。
罵り方でもお国柄もある事がわかって面白かったです。
(今確認したらプロの文筆業の方だったのですね。わかりやすいだなんて!
もう本当に失礼いたしました。でも訂正せずに送らせて頂きます。)
by chika (2009-02-07 02:37) 

てん

こんにちは。私ははてなブックマークのhotentryからこの記事に来ました。
自分より深い解釈を見れて面白かったです。
by てん (2009-02-07 02:40) 

you

「何を言われても暴力はいけない」って、暴力だけが暴力じゃない。暴力にはさまざまな形態がある。言葉もその形態の1つ。つまり立派な暴力だということだ。
しかし暴力に対して暴力で応えたらキリがないということでしょ、僕?
それはそうだよ。大原則ね。

ただし暴力にはレベルがある。痛みを感じさせるだけ、ケガをさせるレベル、命を奪いかねない暴力、それに全てを蹂躙し抹殺してしまうレベル。言葉の場合は受け取る側がそのレベルを感じ取る。君が実際暴力に合ったらその瞬間どう対応する、僕? だまって自分を差し出すかい?
でも暴力はたしかにいけないよね。
by you (2009-02-07 03:25) 

pag

>>彼がアラブ系じゃないからです。
>はぁ~?!

失礼な人がいますね。
指摘したいのであれば正しい情報を示すべきです。
それに、ジダンはベルベル人であり、アラブ系民族じゃないですよ。

by pag (2009-02-07 15:33) 

Sacchan

So-net blogのトップから来ました。

>イタリア語ではどうなんでしょうか。プッターナ、つまりフランス語でピュッタンのほかに、フランス語で言う「ピュットゥ」にあたる言葉はあるのでしょうか。

イタリア語のことは知りませんが、「ジダンは『ピュットゥ』と言われたと感じた」というのが全てではないかと。

ジダンが聞き違いした可能性もあるので真相はマテラッツィにしか分かりません。
彼がお口にチャックしちゃった以上、真相は闇の中でしょう。まぁ、これといった
反論をしなかったというのは、3試合の出場停止じゃすまないすごいことを
言ってたんでしょうけどね。

一般論で言えば、サッカーとかバスケとか貧乏人のやるスポーツは試合中に
選手同士で罵倒しあっています。それで相手の心理を乱せればそれだけで
心理的に優位に立てますからね。アメリカではTrash Talkと言われ、
バスケではあまりに酷いと反則を取られます。教育上よろしくないことも
言っているので通常Trash Talkの内容はメディアに明かされない(メディアも
明かさない)のですが、相当にやばいことも言っているようです。

この件はそれが行き過ぎたと。サッカー的にはそういうことでしょう。もちろん、
普段は大目に見ているだけでTrash Talk自体はスポーツマンシップ以前に
人としてどうよという行為ですから、バレちゃった以上処罰されるのは当然ですね。
by Sacchan (2009-02-07 23:29) 

massava

はてな、から来ました。

記事自体はだいぶ前に投稿されたようですが、
この件は日本人には不明瞭なままスルーされていたので、再注目されたのではないでしょうか。
by massava (2009-02-08 02:09) 

サビオラ

こんにちは、日本在住、サッカ-フリ-クです。
ジダンは、私にとって、お手本?神様?
自分が、引退した選手で自由にメンバ-集めてゲ-ムしよう!
と、いったらはずせない選手の一人です。

時間はだいぶ経ちましたが、マテラティ-は、暴言の真意が、明らかになった、今、もう1度謝罪するべきですね。
でも、頭突きしなかったら、ジダンはもっと英雄になれたかも?


by サビオラ (2009-02-08 05:40) 

Kimukuta

アクセスランキングを見て飛んできました。
また同じことが起こったのかと思ったけど、違ったんだねぇ。
何故アクセスランキングの上位にランキングされるのか謎ですなw
by Kimukuta (2009-02-09 23:14) 

Clydemender

BOX(旧壷コレ)さんから来ました。日本語にない軽蔑語なら彼の行動や言動が理解できるような気がします。サッカーにあまり興味ないんですが勉強になりました。
by Clydemender (2009-02-10 23:19) 

NO NAME

最近見た記事で、韓国には侮辱的な言葉が沢山あるのに、
日本に無いのは知識が乏しいからだ、見たいな韓国の記事を見ました。

侮辱的な言葉が豊富と言うことが良いことか悪いことかはわかりませんが、昔の日本にも侮辱的な言葉は、今よりもっと合ったと思います。
ただ、インターネットの発達や、戦争が身近にないこと、裕福になることで、モラルに対しての変化があって、そういった言葉が廃れて消えていったんだと思います。
現在でも地方にいけば今もあると思いますけど。

あと、ジダンが受けた侮辱も細かく訳していけば、表現できるんじゃないですかね。
日本語が理解できる人がフランス語も理解できるんだから、日本語に置き換えられることの出来る言葉をつなぎ合わせていけば、長くても表現できるのでは・・・。
仮に日本語の「萌え」のような個人で意味の取り方が違うような言葉であれば、表現は難しいかもしれませんね。
by NO NAME (2009-02-12 10:56) 

NO NAME

最近で言えばマイリーサイラスの目を細めるアジア人を侮辱した行為でも同じ事が言えるかも。
日本で育った日本人にはそこまで怒る必要がないと思う人が多いようですが、アメリカではあれは完璧な侮辱行為であって、簡単に言えば人に対して失礼にあたる行為です。
そういう行為を平然としてのける礼儀のしらない、教養のないマイリーサイラスには同情すら感じました。
by NO NAME (2009-02-18 16:19) 

NO NAME

>もう、最低の売春婦というか、メス犬というか、トイレで売春しているみたいな

肉便器というスラングで訳せませんか?
by NO NAME (2009-02-18 16:36) 

NO NAME

釣られてきました。ずっと前の記事なんですね。

しばらく前にヨーロッパのフランス語圏に5年ほど住んでいましたが,もし"fils de pute"なら(filsは息子の意味),結構な頻度で耳にしました。もちろん,相手を侮辱する言葉には変わりないのですが,どこかのコメントにもあったように,全く聞かない言葉ではありませんでしたし,putainとputeと違ったところで,それほど強い意味の違いは感じませんでした。南フランスとは違うんですかね?

ともかく,ここには,マセラッティがイタリア語で発言して,それをジダンが翻訳したときに強い言葉だと理解したようなことが書かれていると思うのですが,その全文がどのようなものだったのかが記されていないので,よくわからないです。

とりあえず,フランス語の使用について気になったのでコメントしていきます・・・
by NO NAME (2009-02-19 17:50) 

saoli

すごく昔に書いたものなのに、突然たくさんのレスがついてびっくりです。。。どこかで紹介されたようですね。ジダンの人気は相変わらず高いのですね。

さて、罵倒語についてですが、ここでは、フランスの世論が「ジダンが言われたのはpute」とわかった途端に変化したことを重視して頂きたいと思います。
それまでジダンを批判していた人も(そりゃあんな大事な試合でレッドカードじゃ、怒る人はたくさんいるわな)、擁護にまわる雰囲気にかわったのです。

罵倒語の感覚というのは難しいですね。
まず、人と教育程度によって大きく異なる。男女でも違う、年齢でも違う。地方によっても違うのか?

あと、putainだって、「くそ、なんてこった」という感じで独り言で言うのはよく耳にしますが、ケンカしていて女性に向かってputainと言い放てば、許しがたいほど下品な侮辱になります。

fils de puteも、若い男の親友同士が、わざとそういう言葉を使うことはありえると思います。汚い言葉であるほど親愛の情を示せるといった作用も罵倒語にはあるのは不思議です。

ただ、一定以上の教育を受けた人で、若者とはいえない年齢の人がそういう言葉を使うのは、私は聞いたことがありません。地方によるのかもしれませんが。。。

使う言葉が人間の「階級」をあらわす、あるいはその人間の「階級」が使う言葉で決まる、という意識は日本にもありますが、フランス(欧米?)では日本人が考えるよりずっとずっと強いのかなという印象があります。その代表格が、日本語には少ないといわれる罵倒語かな、と思っています。
罵倒語も奥が深いですね。

by saoli (2009-02-20 12:38) 

はてなからきました

マテラッツィは、
「preferisco la puttana di tua sorella」
って言ったそうだけど、
「それ(ジダンのシャツ)よりお前のビッチシスターの(シャツ)がいいな」
って意味だそうです。
とすると全然たいしたこと言ってないですね。

テロリストTerrorista(=アラブ=人種差別)とかって、
一部マスコミが間違って読唇して騒いだだけのようです。

下品なマテラッツィと、残念ながら愚かな側面もあるジダン。
どっちもどっちだったようですね。
by はてなからきました (2009-03-02 17:27) 

yurusen

タンブラーから来ました。罵倒語ですか。
標準語では表現が困難でしょうが、地域名や固有名詞などが組み合わせられると、日本語でもかなりひどい罵倒語になりうるものがあると思います。
例えば、売女(ばいた)、犬殺し(えんころし)という言葉が私の田舎ではあったのですが、それに地域名をつけて、〇〇の売女、〇〇の犬殺しめ!という調子で言う人がいました。彼は一応教養のある人だったのですが。
〇〇はたいてい、被差別部落とされる、あるいはされていた地域であり、〇〇=犬殺しという彼らがさせられていた職業=売女をひとくくりにして、何か腹を立てた時に口から出るようでした。
言われた人が関係者でなくても不愉快になるのに、もし関係者であったら、あるいはジダンのように関係者と疑われるような立場にあったなら、どんな思いをするのか、おそらく試合中に言われても我慢できない程度に達する可能性もあるかと思われます。
by yurusen (2010-02-20 01:36) 

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