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ルーブル アブダビ展に行ってきました!

5月2日から、ルーブルアブダビ展「美術館の誕生」がひらかれています。

週末あけの今日、さっそく行って来ました。

ご存知の方も多いと思いますが、ルーブル美術館は、アラブ首長国連邦のアブダビに、支館ができます。2015年オープン予定です。
400点のうち、160点が今回、パリのルーブル美術館で公開されています。

まず、建物の中がとても美しいです。
私が見たのはビデオで、おそらくイメージ映像かなと思います。
まっしろで、光が木の葉のようにゆらゆら差し込んで。
あのあたりは強烈な光のはず。友人が、日中50度とか言っていましたから。
そんな光が模様を白い壁にうつしだすなんて、実際はどんな感じなんだろう。
映像を見ていると、なんだか光のプラネタリウムみたいだった。

louvre_abu_dhabi.jpg

Jean Nouvelの作品です。電通の建物をつくった人です(あれはちょっとね・・・)。
なんだかニースの丹下健三作のアジア美術館を思い出すような感じでした。
そういえば、両者の建物の傾向といい、「巨匠」の位置づけといい、似ていますね。

展示品は、すばらしかったです。
一度、足を運んでみる価値は、大大大です。

ただ、「各時代、各世界のすばらしい品物を集めただけ」と言われると、そんな感じもします。
元々アラブ首長国連邦側の希望は、「古代から現代まで、すべての文化を示してくれるようなもの」とのことだったそうです。だから、希望にはそっているのかも。それに、まだ全部そろっているわけじゃないしね。

一生懸命、「文明の交流」を打ち出そうとしているな、と思いました。

例えば、ローマ時代のtogatus・あるいは演説家の像(1世紀末~2世紀前半)と、ガンダーラの像(2-3世紀Maitreya?)を並べたり。
togatus.jpg
確かに似ています。

つぼを4つ並べたり。中国と、ギリシャ・ローマと・・・なんだっけ。
tubos.jpg

キリストの像(16世紀 バイエルンかオーストリア)、十字架から下ろされた像(13世紀・イタリア ティボリ)、藤原時代の日本の小観音像、インドのシバ神の像(10世紀・南インド)、アフリカのマリ帝国のジェンネの彫刻(13世紀)などを並べたり。
できるだけ時代を近づけようとしている感じがしました。

それから、コーラン(13世紀後半・シリア イスラム教)と、聖書(13世紀・フランスのルーアン キリスト教)とトーラー(モーゼ五書ともいう。イエメン ユダヤ教)を並べたところもありました。

このトーラーの説明がよくわからなかった。「19世紀。セレウコス朝の時代。15世末」というようなことが書いてあったのだけど、セレウコス朝って紀元前じゃなかったっけ。何か資料はないかと思ってフランス語のグーグルで探してみたけど、「イエメンのモーゼ五書」と書いたものしかみつからなかった。私だけがわからなかったわけじゃないみたいで、ちょっと安心。すごーーーく古そうでした。3つのなかで、表紙がしっかりと残っていないのはこれだけでした。
コーランは、とってもきれいでした。全然読めないけど。イスラム教は偶像崇拝がない分、模様とかカリグラフィーが発達したと聞いているけど、見ているだけで神聖な誇らしい気分になれるような美しさでした。

私の一番のお気に入りは、des formes qui voyagentというコーナー。新しい商業のルートのまんなかで、商人と軍人が行きかった後には、芸術家と美術品が行きかって、美しい融合の美術が生まれたというコンセプト。
コンセプトはいま一つ伝わらなかったけど、とにかくこのコーナーの工芸品の展示がすごい。

インド&ナポリの品(ごめんなさい、うろおぼえ。間違ってるかも)。もうびっくり感動の美しさ。
tubo.jpg

16世紀フランドルの「金洋毛」の勲章のくびかざり。私が今こっている分野。
ordre.jpg

1726-7年(イスラム歴1139年)モロッコのアストロラーべ。最初、「なんだか初めて見るもの」と思って、よく見たら、天文学に使ったものと確信した。きらきら黄金で美しいだけじゃなくて、精巧な道具で、すばらしいと思った。じっくりみちゃった。家に帰って調べてみたら、古代の天文学者や占星術者が用いた天体観測用の機器で、イスラム圏で発達したのだそうです。
astrolabe.jpg



工芸品に関しては、ぴかぴか金色のものが目立っていた感じ。絵なども、派手な色合いのはっきりとした印象のものが多かったイメージです。アラブ人の好みに合わせたのかもしれません。日本の掛け軸もありましたが、なんだかみずぼらしく見えました。でも、江戸時代のふすまは、日本の美をよく伝えていました。

アブダビの美術館には、日本美術がしっかり存在感を示すらしいです。フランス人が日本の美術を評価してくれているのと、アラブ人が日本には友好的なおかげだと思います。ありがたいことですね。嬉しいです。

ベネチアとか、ナポリとかが目につきました。ジェノバもあったな。そういえばキプロスもあった。
やっぱりアラブ世界との交流というと、これらの海洋都市を抜きには語れないのでしょうね。

そうそう、来ている人の層が、これほど一様に「高い」と思ったのは初めてです。
平日の昼間なので、女性と、男性はわりとお年寄りが多くて、美術ビジネスマンという感じの人は少なかったですが。
芸術の専門家や詳しそうな人が多かった。自身が芸術家の人も結構いたのかも。
富裕層という意味では、この前いったジョゼフィーヌ展もかなりよかったけど、今回のほうが、ずっと何倍も知的度が上な感じ。身なりも良くて、上品で、おしゃれな感じ。
身なりが良いというのは、お金もちそうという人もいれば、それほどでもないけどシックというか、ちゃんとしているというか、そういう意味です。
5月2日から始まって、週末の混雑を避けようと思ったら、今日が初日だものね。
いや、客層もすばらしかったです。





















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コメント 1

NO NAME

こんにちは。アブダビ展も今月末で終わりなので、先日2回目の見学に行って来ました。気になったのは掲載されている写真。ルーブルの常設の展示に関しては、フラッシュなしで撮影OKですが、特別展は撮影禁止ですよね。
by NO NAME (2014-07-13 01:53) 

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