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きしむ時代に生きる

今週の月曜日から、急に寒くなって、雨が降って、どんよりして・・・。
ああ、パリの冬がやってくると思った。
今年は例外的に暖かい日が多くて、お陽様を見る機会が多くて、精神的にはとてもよかったのだけど。

1年前にテロが起きたのも、こんな日々だった。
あれからニースでもテロが起きた。
私の住んでいたニース、そしていま住んでいるパリ、二つの街で起きた大きなテロ。

人々はもう忘れたかのように、普通の日々を過ごしている。

火曜日、カレ地方のジャングル(移民村。貧民窟となっていた)の解体がはじまった。
大学院のイタリア人の友達SがFBを見なくなったので、もしやと思ったら、やっぱり赴いていた。
今年から私のいる大学院に入ってきて、なぜかすぐに友達になった。
私は移民に関して、ウイともノンとも言えない。
どちらの気持ちもわかるからだ。
でも彼は、移民の人権のために闘う人だった。
自分が外国に勉強に気軽に行けるように、彼らだって行きたいところに行く権利があるはずだ。
彼の言うことは、私の心を揺さぶった。
わかっているけど・・・踏み切れない私。
それでも私は、平等のために闘う人を支援することだけはしてきた。
平等、人権のための闘い。

パリにはそういう人が多い。
そういう人が集まってくるのだ。
先生もそう。
去年、「政治史」を担当した先生は、高齢で、共産主義を教えていた。
今年は同じ授業で先生が変わったけど、この人はある有名な飢餓支援団体の長をやっている人。
まだ40歳くらいで、教授としては若い。
この人の思想にも、明らかに共産主義の影響を感じる。
というよりは、共産主義は、もともとフランス革命が母体になっているのだ。
革命精神というべきなのかもしれない。

人間は平等だ。
すべての人間には、平等に生きる権利がある、と。
そういう精神を体現している人が、パリには集まってくる。
そういう精神が、パリにはある。

「パリで生きた人は、生涯パリを忘れることができない」とか。。。
なんだかそんなセリフがあった。誰の入ったセリフだったか。

もうすぐテロから1年がたつ。
イスラム教徒との対立。
まだまだ次から次へとやってくる移民。

それでも欧州連合を勉強する人は、夢をもっている。
彼らにとって、欧州連合は、一つの理想なのだ。

一人ひとりにとって欧州連合とはなんなのだろう。

学生は若いから、それだけで明るい。くったくがない。
でも、すべてがそうであるわけではない。
一人ひとり心にもつ思いがある。

大陸がぶつかりあってきしめくように、文明がすさまじい音をたててきしんでぶつかりあっている。
闘う者もいれば、ヨーロッパの中で夢見る者もいる。

すさまじい時代に生きていると思う。

そして日本は、中国がフィリピンを使って、米日の分断をはかる作戦に気づいていない。
恐るべき自覚を迫られている日本なのに。

これが私たちにとっての「In Our Time」だと思う。
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