SSブログ

セルビアにドナウ河が・・・。

知りませんでした。
セルビアにドナウ河が流れているなんて。
地図で見たら、本当に流れてる。。。

この前、セルビア文化会館の無料コンサートに行きました。
バイオリンとピアノのリサイタルです。

教会のコンサートもいいけど、寒いのよね。底冷えする。
パリでの無料、あるいは気軽な値段のクラシックコンサートというと、教会か、各文化会館、美術館とかの公共施設みたいなところが多い。
パリにはおそらく、ヨーロッパ中の国の文化会館や教会があると思う。世界中、というといいすぎかもしれないけど。

それで、セルビア文化会館というから、興味をひかれました。
しかも場所が、ポンピドゥーセンターのまんまえという。
あそこの図書館には100万回(は言い過ぎ)行っているのに、全然気づかなかった。
あのあたりは美術っぽい店や、小展示みたいのをしているところがいくつかあるから、そのうちの一つだったんだと思う。

コンサートそのものは、まあまあ。
ベートーベンとシューマンとセザール・フランクの小作品。
こんな作品を書いていたんだなと、面白かった。
どうもベートーベンとかいうと、(私はピアノを習っていたので)ピアノ曲かオーケストラというイメージがあった。部屋で演奏するのにぴったりの珠玉の作品だった。考えてみたら、彼らが生きていた時代は、大コンサートホールなんてまれで、貴族の館の演奏が多かっただろうから、当然なんでしょうね。

演奏会が終わってピアノをみたら「エストニア」とあった。
初めて見た。
家に帰って調べてみたら、エストニアの首都タリンのファクトリーのもので、古くはないのだけど有名みたい。知らなかったわ。ウイキ英語版によると、アメリカでよく使われているそうです。

で、やっと最初に戻ります。
ここは文化会館なので、無料でお持ち帰り用のパンフレットがたくさんあったのです。
そこに、なぜか水と船と人の写真が。あと魚料理の写真も。
「え? セルビアって内陸国じゃなかったっけ。有名な湖でもあるのかな」と思ったら。
・・・ドナウ川でした。
不明を恥じるとは、このこと。
そうかー、そうかー。
ウイーンと川でつながっていたのね。
メコン川だと、複数の国をとおって、メコン川文化圏というものがあって――とイメージがわくのだけど、ドナウ川というのは、いま一つなじみがなくて知らなかった。
ドナウ構想とか、いろいろ単語だけは知っているけど、ピンと来ない。
そういえば、ドナウ川紀行っていう番組がNHKにあったかしら。
やっぱり、ほとんどの国がずっと共産圏に入っちゃってたから、いま一つ知られていないのかなあ。

料理を見ると、なんだか南仏みたい。そっくり。
地中海こそないけれど、南で気候は似ているのかもしれない。
ぶどう酒とかチーズとか、ハーブを使った魚料理や肉料理。似ているわ。
パリにセルビア料理レストランはないかしら。
複数のパンフレットで、「すばらしい自然」をアピールしています。
セルビアって、国際政治上強烈なイメージがあるけど、パンフレットの紹介を見ている限りでは素朴な感じでした。
いま展示されてた絵のほうが強烈だった。Filip Mirazovicという画家。
重厚で、豪華だけど、暗い。
ヨーロッパで北のほうにいくと、なんとなく暗い文化の国はたくさんある。
そういう暗さとは違う。
強烈な陰のある暗さ。
逆の言い方をすると、この暗さは太陽がないと生まれない。
この人の絵に、太陽の光はまれなのだけど・・・。

イタリアは、太陽という光と陰の強烈なコントラストの国だと私は思っているのだけど(ベルディを聞いていてそう思った)、イタリアから華やかさをとって、重い暗さ、ちょっと神秘がかっている感じ、急速に変化する空(雲が突然やってきてたちこめる、みたいな感じ)を足すとこうなる、という雰囲気でした。
言葉で言っても、わけわからないと思いますが・・・。

もちろん、セルビア人が描いたらセルビアらしいと思うのは間違いなのだけど。
日本人だって、みんな同じような絵を描くわけじゃないし、いかにも日本らしいとも限らないのと同じ。

でも、セルビア文化に親しむ機会がまったくなかった私には、強烈にインプットされました。

ネットで私が見た絵がないか探してみたのですが、あまりなかったです。
うーん、残念。

1枚だけとったけど、雰囲気が伝わりにくいなあ。(この絵は、ちょっと驚く描写があったので撮ったのですが、何か歴史的な隠喩があるのかもしれません)。

sep.jpg

コンサートの模様。うしろに絵があります。白い壁の向こうに新緑が見えて、きれいでした。良い季節ですね。

serbie.jpg



ルーブル美術館通い11

最近、さぼり気味になっていたルーブル美術館通いです。

だって、見ても見ても終わらないんだもの。

前はピラミッドと宮殿も、「ああ、いつ見ても、違う顔があるなあ。天候によっても違うし、時間によっても違うし。いつ見ても美しいわ」と思っていたんだけど、見るのもイヤになってきた。イヤというか、前を通ることがあっても別に何も感じないというか。

しかも、春でどんどんお天気がよくなってきて、美術館にこもるという感じじゃなくなってきたせいもある。

でも、しばらくお休みしたら、リフレッシュしました。

---------------------------------------------------
今週末は復活祭のお休みなせいもあって、すごい観光客の量です。
天候からいうと、観光には一番いいシーズンです。

今日は、ローマ・エトルリアのコーナーを見ました。
サモトラのニケ(今は工事中でありません)の前の階段をのぼらずに、右に曲がるところです。でも後でわかったのですが、これだと逆流でした。

ローマ時代のたくさんの王族の彫刻がありました。「誰だかわからない人」も多かったです。
出土は、ローマから属州まで、いろいろです。

今日、一番はっとしたのは、これ。

rome1.jpg

怒ってる。こんなローマの彫像、初めてみた。
解説を見てみると、カラカラ帝。
「父セプティミウス・セウェルスの死後、弟のゲタを殺させ、一人で統治する。そのためにこのタイプのポートレートが創られた。初めて、公式ポートレートとして感情をあらわにしているようである。攻撃性、怒り。眉のうえのシワ。口角があがっている表現である」とある。
あと、説明書には、正面じゃなくて首をまげているのも珍しい表現なんですって。

父親は、貴族ではあったけど、前の皇帝を廃して帝位についた。「えっ、軍事クーデター?」と思ってしまうが、ローマは正確にいうと、「元首政」なのだそうだ。もともと共和制の国で、議会や元老院が強い。専制君主が嫌いな風土がある。実際は世襲になっていたが、本質が違うそうだ。ナポレオンみたいな感じかな。
でも、強い性格と強い武力で皇帝になったので、大変だったのでしょうね。しかもアホなことに、帝位継承者をはっきり決めなかった。兄弟の両方に権利を与えたそうだ。バカだなあ~。争うに決まっているじゃない。
そのせいで、兄カラカラが、弟を殺すはめになってしまうのだ。

弟ゲタの彫像。
geta.jpg

でもカラカラは、なんだかおじさんみたいだけど、29歳で暗殺されて死んでしまった。弟のゲタは22歳で、兄に殺された。
若いと、血気盛んだものね。。。なんで父親は、ちゃんと後継者を指名しなかったのだろうか。
兄が軍事、弟が行政、妻(母)がアドバイス役という「仲良し家族」を目指したらしい。

怒りの表情をもう1枚。
roma2.jpg

212年の製作とありますので、24歳です。なんだか44歳とか54歳みたいですが・・・。

でも、子ども時代は可愛かった。以下は、子ども時代の彫像です。学問的には、jこの彫像のスタイルはいろいろいわれがあるようです。
roma3.jpg

家族が一堂に会しています。真ん中はお父さん、右がお母さんです。
roma4.jpg

悲劇の一家・・・。お母さんどう思ったのだろう。長男が次男を殺すなんて・・・。
でも、そんな想像とは全然違う女性だったみたいです。
次男が殺された後、いつも長男カラカラ帝と一緒に統治していた。遠征にも一緒にでかけた。長男が暗殺されると、帝位がマクリヌスにいったのが不満で、近衛隊の蜂起をこころみたけど、失敗。ガンでなくなったか、英語版によると自殺、フランス語版によると抗議の餓死かで、死んだそうです。
恐すぎ。このお母さん、夫には頭のよさから信頼を受けていたらしいけど、権力欲がありすぎたのでは・・・。夫が既に初めてで唯一の属州(今のリビア)生まれの皇帝だったけど、それでも彼は元老院の議員、つまり貴族のようなものだった。対して妻は、お金持ちではあったらしいが、平民の出身ということだし、シリアの出身だし、女傑の成り上がりみたいな感じの女性だったのかも。ロシアのエカテリーナ1世も思い出す。
おっそろしい。息子はもしかして強度のマザコン? そういえば去年あたりにフランスでやった「私の息子に相手を探しています」という番組で、母と息子の家庭の人が、息子のパートナーを探すという番組があった。フランスは母子家庭が多いのよ。
登場した息子たちは若いんだけど、唯一30代後半くらいだったかな、ちょっと年かさの息子がいた。でもハンサムでおしゃれ。だから選ばれたのね、という感じの人。この母と息子が、もろイタリア系か、イタリア人(フランスで暮らし、フランス語はうまい)。で、ママがいつも息子の世話をしている。べったり。後になって、この男は実は、×1で子どももあり、しかも離婚の理由がDVの疑いありということで、3面スキャンダルになった。これは番組の条件とは異なっていて、ウソをついていたということだったようだ。こういう番組は普通、次回があるのだが、これは1回きりで終わってしまった。なんか思い出しちゃた。母と息子がべったりで、イタリアの母が強くて恐ろしくなりうるのは、「ローマ2000年の伝統」なのか? 
そういえばさあ、ルキノ・ビスコンティの映画で「地獄におちた勇者ども」というのがある。原題は「呪われた人々」だけど。設定はナチス時代のドイツ人だけど、母と息子が近親相姦するシーンが出てくる。ただこの映画の場合は、お母さんは悲しんで恋人と自殺する(他殺にも見えないこともない)。あれ、ドイツ3部作の一つだけど、内容はもろイタリアだったのかも。


ところで、この一家の前に、「若いゴロワ」の彫像があります。
ゴロワというのは、フランス(人)の古い呼び方です。フランス人の祖先とされています(いました)。シーザー(カエサル)が書いた「ガリア戦記」のガリアは、フランス語読みするとゴロワです。ゴロワーズというフランス産のタバコもありますよね。

gaulois.jpg

200-250年くらいの間にできた彫像で、この豊かな髪の毛は、マルクス・アルレリウスのコピーなんだそうです。ランスで発見された像です。

なんで一家の正面にあったのだろう。つくられた時代は重なっているようだけど。

家に帰って調べてみると、不思議なことに、フランス語のWIKIには、「カラカラ帝は、ゴロワとカルタゴとシリアの起源」と書かれている。えっ、ゴロワ(今風に言うとフランス人)の血が入っている? でも英語版には書かれていない。「カルタゴとシリア」とだけ。
おっそろしいお母さんがシリア人というのは異論がないらしい。一方お父さんセプティミウス・セウェルスは、ローマで唯一、属州のアフリカ生まれの皇帝という。今のリビアで生まれた。それで、生まれ故郷にたくさんモニュメントを作ったそうだ。彼の血筋はというと、フランス語版でも英語版でも、父方はカルタゴ(リビア)系、母方はイタリア(ローマ)からの移民と書かれている。
ゴロワはどこに言ったの? 何かの伝説がありそうだわね。

読みすすめていくと――ああ、わかりました! カラカラは、父親がガリア総督時代に、今のリヨンで生まれました。だから「ゴロワ人」と言っているわけだ。「血統」じゃない。「出生地主義」でいえばゴロワ(フランス人)でもあるといいたいわけね。アメリカで生まれればアメリカ人、フランスで生まれればフランス人になる権利が生じるという考えで言えば、確かにカラカラはゴロワ(フランス人)ともいえるわけだ。なーるほど!!! おもしろーい。
となると、ゴロワ人は当時「ローマ帝国領」で生まれたのだから、全員ローマ人。今のフランス人は全員ローマ人の子孫、つまりイタリア人!といえないこともないかも。。。なーんて、まあま、そういう理屈はいいっこなし。歴史ファンタジーということで :-)

ところで、これらの皇帝たちの彫像は、とてもとても美しい部屋に飾られています。
やっぱり、過去の貴人たちに敬意を表しているのかな。
SALLEE.jpg

「皇帝の部屋」と言われています。いろいろ歴史があるようですが、各部屋に説明があるようで、大変なので省略。場所でいうと、アポロンギャラリーの下あたりになります。

まだまだあるのだけど、今日はこのへんでやめときます。
「ローマ時代の彫像は、たくさんの国の研究家を魅了してきた」と説明パネルにはありましたが、わかるわあ。私もギリシャ・ローマは大好き。ちょっと色気と繊細さに欠けるけど。

ここ最近つくづく思うのだけど、やっぱり一神教って肌に合わないわ・・・。私ってつくづく、多神教の日本人。もちろん、一神教の宗教も敬意は払っていますよ。文化や学問の対象つぉいて、すごく興味はあります。他の人が敬意をもつものは、大切に扱うべきだと思うし。
でもねえ・・・やっぱり合わない。
なんだか最近わかるのよ。きっと、このヨーロッパで、一神教がイヤになると、ギリシャ・ローマに走るのだろうなと。もちろん、キリスト教の信仰があつい人で、ギリシャ・ローマが大好きという人もいたと思う。文化を重んじる、芸術家にはそういう人が多いのかも。でも、それだけじゃない。思想的にもあったと思う。
歴史を学ぶと、ルネッサンス=人間性回復で、芸術や学問のことがよく語られるけど、「キリスト教(ユダヤ教)がイヤだったからです」なんて書いてある本、見たことないや。まあ現実、ルネサンス当時は共存していたのだし。
今、現代なら、そういうことを言う本って、欧州にはあるのかしら。
あまりにも漠然としすぎていて、かつテーマが大きすぎて、どこから調べていいのかも想像がつかないわ。

フランス2の歴史番組を見ていてちょこっとびっくり

フランスの夜のニュースは20時に始まります。
なぜかNHKみたいなフランス2も、民法も、同じ時間に始まる。
時間をずらせばいいのにね。

私はいつもフランス2を見ているのだけど、ニュースが終わったあとに歴史番組が始まった。
日本で言うとNスペ歴史みたいなもの。

今回は「イエスというなの人間」というのがテーマで、歴史学と考古学の観点から、生い立ちや若い時代にせまっていた。(途中で用事ができて、見るのをやめた。大人まで行かなかった)。

そこでちょっと驚いたこと。

キリストが生まれたといわれる場所に建っている教会がある。
日本語だと「聖降誕教会」というようだ。パレスチナ自治区のベツレヘムにある。

ここの内部がテレビ画面に映し出されて、ちょっとびっくり。

この前無料コンサートにつられていった、アルメニア正教の教会にそっくりだったからだ。
行くまでは「教会」としか知らなくて、入ってみて、これはまったく見たことがない様式だと思って驚いた。
外観では気づかなかった。夜で、建物がわりと密集している感じのマレ地区だったからというのもある。
それでアルメニア教会と初めて知ったのだけど。
それがいま、テレビで目の前に。

祭壇のところが、直線状で、その上に半円みたいなデザインがほどこされている。
建物の右と左に、柱が並ぶ。
あと、木をすごく使っているイメージ。

  ↓ 以下は、ベツレヘムの聖降誕教会の写真です。

armenie.jpg

うーん。
やっぱり、アルメニアは、キリスト教を一番最初に国教にした国ということからね。
これが一番古い建築様式なのかも。
なんというか、全体的に四角っぽいのよね。長方形っぽいというか。
これは私が、パリのアルメニア教会を一周したときの感想。
考えてみたら、曲線というのは、つくるのが難しい。丈夫さという点でも、劣るような気がする。
だから昔は、直線でつくる四角が多かったのかな。
ということは、曲線をおりなすデザインというのは、それだけで新しくて、文明や文化の象徴になったのかもしれない。技術が必要だから。(だから、一番大事にしたくて目立つ十字架の後ろだけ、曲線をほどこしたのね、きっと)。
ああ、だから、バロックというのは曲線なのかしら。


私は建築史は全然不案内なのだけど、こうして実物を見ると、機会があったら知ってみたいと思う。

ヨーロッパに来て、「これが習った〇〇か」と思うことが多かった。
あと「これがテレビで見た〇〇か」というのも多かった。

でもそういうのって、ちょっと見ただけで、私の場合、すぐ飽きちゃうのよね。
実物を見ました、終わり、みたいな感じ。
さらに、テレビで見たほうがきれいだったなあ、なんてことも割りとある。

知識は横においといて、とにかく知らなくても見て感じるというのが大事だなと、最近すごく思います。

旅行でも、思いがけなく歩いた通りとか、みつけたものの方が印象に残るのは、そのせいでしょう。
ただ、住んでいると、自分から積極的に何かをしないと、ただの見慣れた風景になっちゃうからね。
心がけて色々見ようっと。

すごいコンサートを見てしまった

今日、ショパンのコンサートを教会に聞きにいきました。

シャトレにあるÉglise Saint-Merryという、古い教会です。なかなか美しい。

私は、教会の前をとおって、開いていて、時間があるときは、ちょっと中を見るようにしているんです。

一つひとつ違うんですよね。美術や雰囲気の違いを見るのが面白いんです。

建築については、明らかにいくつかの様式があります。詳しくないのでちゃんと説明できませんが、大体わかるようになりました。

それと、パリにはたくさん、各宗教、宗派、国の教会があります。この前のコンサートで見たのは、アルメニア教会でした。無料コンサートにつられていったら、そうだったんです。一目で「今までに見たことない教会だ」とわかりました。来場者はみんな、アルメニア系のフランス人だったのかも。アジア人は私一人(うしろにもう一人いたかな?)でした。でも、演奏者は多国籍みたいで、日本人みたいな名前の方がいました。

無料コンサートって、気軽でいいです。お金払うと、自分の好きな作曲家しかいかなくなるので、自分がよく知らない人の曲を知るのにも良い機会です。
あと、レベルは様々ですが(まあそりゃあものすごく高いとは言えない)、そのかわりごく近くで聞けるし、演奏家の表情も見られるし、リアルで身近な感じがして、結構良い感じです。
オーケストラっていうのは、本当はこのくらいの人数がいいのかも、と思えます。
日本にいると、コンサートホールで大人数のオケでやるものと、相場が決まっていますけれど。

一銭も払わなくてもいいんだけど、たいていは志をおいてきます。そういうとき、5ユーロ札が便利。5ユーロ硬貨をつくろうという話はあるのですが、それでもお札はなくならない。チップに便利だからだとわかっていましたが、こういうところでも便利です。ちなみに、このお金のことをune contribution と言えばいいと思います。ボランティアでコンサートをしている人がいるわけだから、「協力金」みたいな感じです。

今日行ったのは、前述のようにÉglise Saint-Merry。ポンピドゥーセンターの近く。一見の価値がある、古い美しい教会です。

本当はバジリック・ド・サンドニのパイプオルガンに行こうと思っていたのだけど、風邪気味なので近いほうにしました。

ピアニスト一人、詩人(俳優というかソリストというか)が一人。

詩と音楽が合わさったスタイルのものでした。

たいていは、詩→曲 という順序でしたが、一緒だったり、二人で一つの物語をつくっている感じです。

曲目は、すべてショパン。

前半は、わりとキリスト教に関係あるような詩でおだやかだったのですが、後半の後のほうになってポーランド人の物語になり、クライマックスが・・・。

Vive la libérte ! Vive la libérte ! (自由、ばんざい! 自由、ばんざい!)

と詩人が叫んだあとにピアニストが弾いた曲が、ショパンの「革命のエチュード」。

脳天を割られるようなショックを受けました。

これ・・・どう考えてもウクライナ情勢と関係があるのでは。

「革命のエチュード」は、ポーランドが約180年弱前、ロシアに対して蜂起したときに書かれた曲です。
11月蜂起と呼ばれます。その後、ロシアとの戦争に突入しました。

ショパンはポーランド人。蜂起のときは音楽の勉強などのためにポーランドにいなくて、遠く離れて祖国の蜂起のニュースを聞いて、情念と怒りと、あるいは挫折に終わった絶望をぶつけてつくった曲だといわれています。当時、20歳。その後、二度と祖国に帰る事はなく、パリで39歳で結核で亡くなりました。

当時ポーランドで起こっていることは、いまウクライナでおこっていることと、すごく似ています。
今のところの一番大きな違いは、当の(西の)ウクライナ人が武装蜂起していないことでしょうか。

でも、革命前夜みたいな感じはする。いや、前々夜かな。
まだ「におい」の段階というのか・・・。
というよりも、これはオレンジ革命の続きなのだと思う。
いや、、、なんていったらいいのだろう。

ウクライナにとっては、オレンジ革命の続きだと思う。
ただし「なすすべもない」章に突入している。
でも、欧州の東の向こう全体に関しては、革命前々夜というか・・・。
それよりももっと混沌としているけど。
あっさり連邦制に落ち着くのか、それとも思いもよらない展開があるのか。


しかし・・・

「自由、ばんざい!」
「平等をわれらに!」

すごく魂をゆすぶられる衝撃ではある。

歴史が、欧州が動いているという感じがしてたまらない。

ルーブル美術館通い10

今日はとても絵が見たい気分だったので、シュリー館のフランス絵画を見ました。

目をひいたのは、このオフィーリア。

drac.jpg

ドラクロワの作です。1853年。オリエンタルというかアラブ風で、びっくりしました。

オフィーリアというのは、ハムレット(シェイクスピア作)に出てくる「純粋な乙女」です。

絵のところにあったキャプションによりますと。

「ハムレットの4幕に出てくる。女王がオフィリアの死を語る。小川に流されて、柳の枝につかまろうとする。胸を締めるのは花の輪。このシーンは19世紀のおわりのシンボリスト(象徴主義)の世代まで、たくさんの芸術家をインスパイアした」とあります。

私は前に、渋谷の文化村で、ローレンス・オリビエ主演の「ハムレット」をみたことがあります。
すごくオフィーリアのシーンが印象的でした。
狂った女性の純粋さというか、狂喜の美というか。白痴美というと言い過ぎかもしれませんが、ちょっと通じるものがあるかもしれません。
あの映画をみていたので、オフィーリアには興味をひかれます。


ところで、ルーブルで「オフィーリア」といえば、有名なのはもちろんこちら。

ohi.jpg

1856年のポール・ドラローシュ作です。
これは、モナリザの部屋を出たすぐの部屋のところにあります。上を見上げると、すばらしい天上画があるところですね。

こちらのキャプション(意訳です)
「一人の女性のキリスト教徒――改修しなかったゆえに、ローマ人によって川に捨てられた――は、他の信者によって発見されるというのが元の話だった。しかし、彼女の死にデラロッシュは深い影響をうけ、殉教の話を若さの犠牲という厳格な寓話にさせ、元の話を放棄した。彼はオフィーリアの死のテーマを、ロマン主義とラファエル前派の世代において刷新した」

なるほど。元はローマ時代のキリスト教の殉教者の話だったのね、と、前に見たときに思ったものでした。

一番有名なのは、やっぱりミレイが描いたオフィーリアよね。(ミレイ オフィーリアで画像検索すると、すぐに出てきます)。どこにあるのかと思ったら、ロンドンのテートギャラリーにあるんだって。ミレイはイギリスの画家。やっぱりハムレット発祥の地だからなのかな。キャプションにもあるラファエル前派の有名な画家で、この派にはオフィーリアはすごく重要なテーマだったようです。

ミレイのほうは、1852年に描かれています。ルーブルにある2まいのオフィーリアよりも、早く描かれている。ドラクロワはミレイの絵をみて、自分でも描いてみる気になったのかしら。

でもドラクロワのオフィーリアは、まるでアラブの女性。それがすごく驚きだったの。
ドラクロワの絵はドゥノン館の日本式2階に有名な大きな絵があるけれど、シュリー館の3階にもドラクロワの部屋があります。ここはオリエンタリズムみたいな絵がたくさん。あと、有名な自画像や、ショパンの肖像画もあります。

ドラクロワに印象派っぽい絵があるのは驚いた。でも確認してみたら、19世紀後半くらいになると印象派が出てくる。ドラクロワはその時代を生きている。影響のある絵があるのは当たり前かも。勉強して頭で知識で覚えているから、先入観が強すぎたのだと思う。
やっぱり実物を見るのは大事だなと思う。

でも、頭に花輪があると「フェミン?」とか思っちゃう。(知ってます?)
この前も、アクセサリーのお店で花飾りのカチューシャがあって、「これじゃまるでフェミン」と、店の中で一人で笑ってました。
オフィーリアと何か関係・・・・あるわけないよね。

そういえば、私のなかでは「狂った人の純粋さ」というと、すぐロシアを思い浮かべるんですけど。
ロシアでは、狂った王様とかが歴史上います。単に近親者の結婚が多くて狂った人物が生まれただけでしょうが、ロシアには狂った人を崇拝するというか、あがめるというか、そういう文化の土壌があったんです。「純粋ゆえに神に近い」という思想だったみたいです。

それって、オフィーリアのイメージの変遷に関係があるのかしら。
フランスというかヨーロッパに「ロシアブーム」をもたらしたのは、ウイーン会議にやってきたアレクサンドル1世(1777年-1825年)だと思うのだけど。パリにあるのは、アレクサンドル3世橋です。アンバリッドの前のところです。

オフィーリアとロシア文化は、何か関係あるのかな? ちょっと興味あるわ。

【追記】
さっき読んだ本「自壊する帝国」によりますと、ロシア正教では、特別な人は神になれるという思想があるそうです。特に、みたところ頭が変に見える人には、人間を救済する力があると考えるのだそうです。だから、狂気の皇帝などがあがめられたのですね。カトリックやプロテスタントだと、神から人間への一方通行で、神様だけが人間を救えると考えている。ロシア正教は双方向。
ちょっと欧州とは異質な感じがします。神様が変化(へんげ)したり、人間が神様になったりするのって、インドっぽいというか、アジアっぽい感じがしますね。

事故を目撃

なんだかまだショックです・・・・・。

目の前で交通事故がおきる瞬間を見てしまいました。

バスが、年配の女性をはねたんです。

さいわい、女性は見たところはケガはなかったです。

でも、ショックでうずくまっていました。

ちゃんと救急車が来て運んでいきました。

私は目撃者として警察に。

おきたのは、オペラ通りです。

あそこは信号がすごくわかりにくい。


――――――――――――●――――――――――――
← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← ← 
           ●------------------------●

       →  → →  →   →  →  → → →  →→  →
――――――――――――●――――――――――――

こういう感じなんです。
●は信号です。矢印は車の方向です。真ん中の ---------- は、立ち止まっていられるレーンです。
オペラどおりは幅が広いので、お年寄りなんかだと、青の間に向こうに渡りきれない。
なので、真ん中に小さいレーンがあるのです。

だれもが、両車線の向こう側にある、ほぼ正面の信号を見てわたろうとします。
ところが、見なければいけないのは、ちょっとはじにある、手前の信号なんです。
正面の信号が青になったので渡ろうとする。
ところが、見なければならない手前の信号はまだ赤なんです。
まんなかの、立ち止まって待てる歩行者用のレーン( ----------  )がものすごく大きければ、2段階になっているとわかります。
でも、さほど大きくなく、2段階になっているとはわかりにくい。
私もなれないうちは、よくひかれそうになりました。
今でもよく、ひかれそうになっている人をみかけます。
慣れていない人なら、フランス人でも外国人観光客でも同じだと思います。

私は正しい信号を見て、青になったのでわたろうとした瞬間に、前で事故がおきたのを見ました。

ああ、ショック。

なんだかがやがやしました・・・。

事故にあったのは、韓国人の年配の女性。
韓国人の10人くらいの団体さんで、年配の方が多かったです。
ガイドの人がひとり、フランス語を話しました。
でも、事故の瞬間は見ていなかったと。
運転手さんはおろおろおろおろして、言葉が通じる私に興奮して訴えていました。
「ちゃんと青だった。向こうが飛び出してきたんだ」と。
なんだか優しそうなおじさんでしたが。

あとで信号の青になり方を確認しましたが、99パーセント信号のせいだと思います。

あの女性は、昔の私や、他の大勢の人と同じように、正面の信号を見て渡ったのだと思います。

警察は知っているんじゃないかな。これが初めてとは信じられない。

なおしてほしい・・・。

せめて真ん中にある信号を、はじじゃなくて、もっとど真ん中に立ててほしい。

みなさんも、観光に行くときは気をつけてください。

大丈夫かな、あの女性・・・。










パリとニースの政治風土の違い

ちょっと忙しくなって、ご無沙汰してしまいました。
実は私は、他に欧州のニュースに関するブログを書いておりまして、ウクライナ・クリミア問題がおきてから、そっちがすごかったのです。
はじめたばかりのときは、1日のアクセス数は1ケタ、それが2ケタになって「わーい」と喜んでいたら、今回の問題が起きたらいきなり毎日4ケタ・・・。もうどうしようかと思いました。
あまりにもびっくりして、ブログ閉じようかと思ったほどです。
でも毎日すごいニュースが飛び込んできたので、必死に書いてました。
一時は本当に戦争になるかもしれないと思ってました。
私が住んでいる、この陸の向こうで、戦争?!
私は歴史が好きで、高校生のころからよく歴史の本を読んでいました。
ヨーロッパの歴史が多かったですね。
でも、そんな歴史で起こったことが、自分の住んでいるこの欧州大陸の向こうで起きるの?
車があれば行けるところで?

私がこういうことを強く感じるのは、やっぱり、パリの空気っていうのはあると思うんです。
基本が左。
ニースとまったく違います。
ニースは右の牙城です。フランスで、右の代表的都市といえば、ニース。
右と言っても、中道右派、でももうちょっと右より、という感じですかね。
南仏は全体的に右が強いです。特に地中海地方は。
大勢いるアフリカ大陸からやってくる移民にうんざりしているのです。
しかも、パリに住んで思うけど、移民は南仏のほうが活き活き(?)しています。
気候が出身地と似ているから、のびのびしているのかも。
活き活きとして、犯罪もかなりやりたい放題な印象。
しかも、街が小さいから、ごっちゃまぜ。
パリは、カルチェによって、比較的層が分かれていますので。

ただし、ニースの人は、世界中から観光客がやってくる国際性もあって、今みたいな平時に極右に走ることはないと思うんです。そこはマルセイユと違いますね。
今回の地方選挙の第一回の結果を見てもわかるように、マルセイユはひとつ間違うと極右に走る可能性がある。
あんなに移民がいるのだから、フランス人になった移民が投票に行けばそういうことは起きないのでしょうが、彼らは「投票」「選挙」という意識が薄いのです。
もっとも、マルセイユにはちゃんと左翼もいますけどね。一応それで、均衡を保っている部分はあります。でもだからこそ、「一つ間違えると」極右にふれる可能性もある。危うい感じがします。

ニースの場合、そういう危うさはないと思う。ニースは圧倒的に左は弱く、パリからみると皆無と言いたくなるほどです。観光業が主なので、たとえ極右の得票がのびても、実際に市長になることはないでしょう。前の市長は「隠れ極右」といううわさもありましたが、「隠れる」分別があったというべきでしょう。だから、ある意味でマルセイユよりは安心感があるような感じがします。だから政治家が安心して肩入れしやすい、ニースを「右の代表」にしやすいというのはあるかもしれません。マルセイユを「右の代表」として取り上げたら、議論爆発で内戦(?!)状態になるかもしれないし。大げさかな。

パリとニースは全然雰囲気が違います。
パリはですね、明日の2度目の地方選挙で、もしかしたら中道右派の市長が誕生するかもしれない。
でも中道右派と一口にいっても、ニースみたいなかなり右の中道右派と、かなり左の中道右派がありまして。
パリは「かなり左の中道右派」ですね。
基本のエスプリが左なんです。

共産主義っていうのは、パリで生まれたといっても過言ではありません。
共産主義の初めての政権は、パリで生まれました。
パリ・コミューンというもので、1871年で、あっというまにつぶれましたが。
そういうエスプリが、脈々と流れているのだなあと、感じます。

共産主義は、政治的・経済的には大失敗という結論になりましたが、思想的には「全員が平等」というのは、社会主義という形で欧州大陸にしっかりと根ざして、消えることは決してないと思います。

あるいは、フランスなんて、日本と同じで共産党は完全に斜陽ですが、ちゃんと共産党に替わる政党「左翼党」(parti de gauche)がうまれてますものね。ジャン=リュック・メランションという人が党首なのですが。

 ↓ この人です。
mele1.jpg

実は、私は彼のミーハーファンなんです。
深い思想とか主義とか、いいっこなしでお願いします。
(私に投票権があっても、左翼党にはいれないかも)
彼がまとう雰囲気で、ミーハーファンなの。
かっこいい~!
あの人見ていると、「ああ、フランス革命っていうのは、こういう男たちがやったんだな」って感じるんです。
特に、彼が話しているとき。
すごくひきつけられます。
がなっているフランス人政治家は大勢いるけど、彼は話すのがうまいのだと思います。
演説も話も、内容だけじゃないので。
話し方、身振り、表情、相手がいる場合は発話のタイミングや会話のキャッチボールの仕方。
複数の人が話していても、目が彼に言ってしまうのです。カリスマ性があると思います。

あと、党の表現もうまいですね。
これ ↓ は、前回の大統領選のポスターなのですが。

mele2.jpg

「バスティーユを取り戻そう!」と書かれています。
シルエットは、バスティーユ広場にある塔ですね。
うーん、、、うまい。
左翼はフランス革命に結びついている。
だからフランスでは、決して左翼が消えることはないのでしょう。
そういう雰囲気が、パリにはある。
つぶれそうな日刊紙リベラシオンも、パリでは健在。
ちょっとブルジョワっぽさがあるけど、カナル・アンシェネという週刊風刺新聞も、パリでは健在。
批判精神が旺盛な街なんです。
そこがパリの一番いいところかな。
ウクライナのフェミンも、パリを本部にしたようですし。
自由な表現を求める人が、欧州中からやってくるのです。

ところで、メランションですが、一切プライバシーが出てこないところもまた魅力的。
でも、独身なのは確かで、表にパートナーとして出てくる女性がいないのも確か。
この前、彼に子どもが生まれるらしいといううわさがあって、「ということは、パートナーがいるの?」「やだああああ」「ショック!」という、女性たちがネットで騒いでいました・・・(笑)。
(フランスでは、今は結婚しないで生まれる子どもが半数を超えています)。

もう1枚、載せちゃえ。

mele3.jpg

きゃあ、絵になってるう!

・・・アホをさらしてすみません。


。。。。。。。。何の話をしていたんだっけ。
そうそう、ウクライナの戦争の話でした。
「この大陸のかなたで、戦争が起こるのか?!」という意識の話でした。
それは、大陸で実際に地続きというだけじゃない。
パリの、自由を求める人がヨーロッパ中から集まってくる雰囲気。
フランス革命の精神が脈々と流れる、パリの左翼の精神。
これらが、「この大陸のかなたで、同じ人間が殺しあうのか」という気持ちをうませるのだと思う。

そういう意味で、やっぱりパリはすばらしい街なのだと思います。

ニースからパリに引っ越して、ずっとウツ病気味だったけど、やっとパリに慣れたのだなと思います。


郵便が・・・

ちょっと聞いてくださいよ・・・。
あの例の怒りの小包。
戻ってきました、というか着きました。。。

数ヶ月前、私の手がふれたのに、日本に戻ってしまった、あの小包。
実家に聞いても「戻ってこない」というので、どこかで無くなったか盗まれたと思っていました。
この国に何言ってもムダ、とすっかりあきらめていました。

先日、不在通知が入っていました。
実家から送ったものがあると聞いていたので、それだろうと思いました。
そうしたら昨日また不在通知が。
「あれほどうるさく言ったので、要注意人物となって、休日で再配達してくれたのかな。あるいは単に親切な配達員さんだったのかも」と思いました。
もしそうなら、大変結構。

行ってみたら・・・2通で2つありました。
その一つが、例の小包だったのです。

はってある英語の案内。
「この小包は戻ってきましたが、戻す理由が明記されていません。よって郵便協定×××(法律名)によって、配達先に配達するように。 ××郵便局 日本」と書かれていました。

おおおおおおおおお~、日本に戻ったのか。そして日本の郵便が「ちゃんと仕事しやがれ!」といってフランスに戻したと。おおおおおおおお、やっぱり頼りになるのは母国だなあ。日本、ばんざい!!!

でも入っていたおせんべいは、期限が切れていたのでした。。。そりゃそうだよ。実家が送ってくれたのは11月なんだからさあ。

ところで、また別の郵便疑惑。

ごく最近、フランスの郵便で、ネットで簡単に再配達を依頼できるシステムができたんです。
私は土曜日に指定しました(日曜はありません)
一日中待ってました。
来ませんでした。
夕方ごろ、私は一人で大笑いしました。
「あっはっは~、まだフランス郵便を信じている、私ってバッカ~!!!」と。
もう乾いたふっきれた笑いです。
そしたら月曜日。再配達が来たのです。
私が「依頼したのは土曜日なんだけど」と言うと、「土曜日来たけどいなかったよ」と顔見知りの若い配達員。
絶対ウソと思ったけど、こんなことでウソと思って怒ったらフランスでは生きていけません。
これは「ウソ」ではなく、「言い訳」なのです。
でも不安になったので、不在者通知を見せて「もしかして、これとは別のもの?2つ来たの?」と聞くと、番号を確認して「番号が同じだから同じもの」だといいます。
次の日の朝。郵便受けを見ると、また不在通知が。
また何か来たのか? 家にいたのに??? またかよ、、、と思ってみたら、また同じ番号でした。
私の予測だと
1、土曜日に来た配達人が、めんどくさいので呼び出さずに、不在通知だけ入れた
2、月曜日に私に配達したあと彼は、苦情を言われたら困ると思った。彼はブログに書いた問題を少し知っている。私が「責任者に話してみるわ」とかいったのを聞いている。立ち話したのでね。だから月曜日に私に配達後、カモフラージュのために入れた。
3、私が思いもつかない、「フランスを知っているつもりなら、甘いんだよ」という、奇想天外の理由。

さあどれかな。

フランスとイギリスの違い 野菜とくだもの編

いつも思うのだけど。。。
ロンドンの人って、割と信号を守るよね。
フランス人、というか、特にパリの人は、ほんと無視。
まるで、「信号を守ったら、わての敗けやで!!!」と思っているみたい。
さすがに車にひかれたら死ぬけど、死なない範囲で車にケンカ売っているみたいというか。

民族ジョークでそういうのがある。

「タイタニック号にいます。いま、海に飛び込まないと、船が沈んで、死んでしまいます。でもみんな恐がって、飛び込もうとしません。さあ、どう言いますか?」

イギリス人へ → 紳士なら飛び込まなくてはいけません。
アメリカ人へ → 飛び込めばヒーローになれます!
イタリア人へ → 飛び込めば女にもてます!
日本人へ → みなさん飛び込んでます!
・・・そしてフランス人へ → 飛び込むな!

このジョークを日本人に披露すると、日本人のところで、みんな「くっ!」と笑うのよね。そういうまったく同じ反応が、フランス人に披露すると、フランス人のところで起こる。つまり、当たっているのだと思う。
この性癖がいかんなく発揮されているのが信号かと(笑)、私はよく思うのよね。

それから、イギリスって、野菜や果物の原産国表示の法律がないのかな。
スーパーに行くと、原産国がはっきり書かれているものと、みつけにくいものがある。ないものもある。
これはフランスでは法律違反だ。フランスでは、はっきりと原産地を表示しないといけないのだ。

ほんとロンドンのスーパーって季節感ゼロ。(私の言う「ロンドンのスーパー」とは、ほとんどウエイトローズです)。
いまどきどの国にもこういう傾向はあるけど、それにしてもひどいんじゃ。。。
特に果物でそう思う。

なぜ桃(ネクタリン)といちごとブドウがどかっと並んでおいてある???
今何月だっけ?
(2月下旬です)。
桃は産地が書いてない。
いちごはモロッコ産。
ぶどうは南アフリカ産。

最初は、イギリスは寒いから、季節がずれるのかなと思っていたけど、違う。

フランスだと、スーパーでも季節感まんさい。
秋になると、桃がたくさんならぶ。白桃、桜桃、白ネクタリン、黄ネクタリン・・・一部スペイン産もあるけど、ほとんど全部がフランス産。
同じくらいか、もう少し幅広い範囲の秋にぶどうが並ぶ。イタリア産もあるけど、ほとんどがフランス産。
あと、ほんの一時、2週間くらい、ミラベルが並ぶ。これはロレーヌ地方の名産で、南仏ではあまりみなかった。
そして梨。この期間は長い。一部南アフリカ産はあるけど、ほとんどがフランス産。
そしてりんご。この期間はとても長い。一部南アフリカ産はあるけど、ほとんどがフランス産。

今の時期になると、メインはりんごと梨とみかん(マンダリン・クレマンティン両方)。みかんはスペイン産もあるけど、フランス産がほとんど。

イギリスもりんごはイギリス産だったので、これをよく買った。遠い外国から来ると、たっぷりと保存料がふりかけられているはずだから。

モロッコ産のいちご・・・モロッコあたりだとどうなんだろう。そんなに遠くないよね? でもいちごは腐りやすいからやっぱり保存料だらけか? と思ったけど、買ってみた。
部屋の常温のテーブルの上において、1週間近くもった。ということは、やっぱり保存料がたっぷりかかっているのだろう。
フランスでもイギリスでも、遠くからやってきたオレンジやバナナは売っているけど、これらは皮をむくので、まあいいかなという気持ちになる。さすがにイチゴは。。。
(あともちろん、輸入のトロピカルフルーツはもちろんフランスでも売ってますよ。最近はすごく珍しいのも増えたな。料理の国際化と、あと冬で入ってくるフランス産が少ないから、穴埋めもあるのかな。この前、はじめてモノプリで「Nashi」を見ました。中国産だった。中国産の青果をフランスのスーパーで見たのは、長年フランスにいるけど、これが初めてでした)。

前にロンドンで桃をかったときにも思った。産地が書いていないけど、腐り方がヘンなのよね。フランスで買って、ちょっと忘れているうちに腐ってしまったというのと、明らかに違う腐り方。これもガンガン保存料がかかっているのだろう。

やっぱり自国産を買いたいな。となると、やっぱり今はイギリスではりんごだね。イギリスのりんごはとても美味しかった。やっぱり、ある程度寒くないと、味がひきしまらないのかな~。

でも、フランスと比較しては、イギリスが気の毒とも思う。イギリスは日本に似ているなと感じる。

次に野菜。
フランスでは、野菜はほとんどフランス産。でもスペインやイタリアからも入ってくる。あとモロッコとか。北のほうでは、きのこと白菜がオランダから来るくらいで、他は見たことない。そういえば、大型スーパー・オーシャンにいったら、アメリカ産のいんげんがあったっけ。すごい珍しいと思った。私がよく行くモノプリというスーパーでは、見たことない。

イギリスでは逆に、いんげん類のアメリカ産がすごく多い。ペルー産と言うのもあるな。フランスでも、びんづめのいんげんなら中身がペルー産と言うのがあるから、ペルーはいんげんの産地なのかな。

あとイギリスには、オランダ産の野菜が多いような感じがした。オランダは結構、農業国なのかしら。トマトはスペイン産やイギリス産も結構あるね。フランスでもトマトはスペイン産とフランス産が半々くらいかな。季節にもよる。

フランスの場合、季節の商品は、例えばいちごだと、「形も美しくてちょっと小粒で高級感がある」のがフランス産、「形は自然のまま?ふぞろいで、大粒で、安い」のがスペイン産と、住み分けができている感じがする。
プチトマトでも同じ。生産者の名前や顔写真(ほんとか?)が入っていたり、ビオ栽培ですというのをセールスポイントにして、高級感を出してちょっとお高めなのがフランス産。それ以外、安めのがスペイン産。(普通のトマトだとイタリア産もあるな)。スーパーによってはモロッコ産だったり(モノプリではみかけないが)。

前に、高めのブルターニュ産ビオというプチトマトを買って、感動した。おいしい! でも本当に高かったけど。。。

消費者としては、ときどき高めでもフランス産、でもスペイン産(やモロッコ産)の安いのをよく買う、というのが普通かな。(というか、私みたいなのが「モノプリ」というスーパーの平均的な顧客層なんだろうけど・・・。スーパーにも個性やランクがありますので。)

ただ、入ってくるものは、地方によって違うかも。パリのスーパーではスペイン産が多いけど、私が南仏(正確には南西部)に住んでいるときは、スペイン産よりも、もっとイタリア産が多かったように記憶している。

でも、イギリスで一番悲しいのは、マルシェがないことだな。。。残念だわ。

よく「フランスは農業国」と言われますが、この「食べ物に関するどっしり安心感」というのは、国の政策にも影響を与えているだろうなあ・・・と、フランスとイギリスを往復していて、つくづく思う。やっぱりさあ、「食べ物に困るかも」と思うと、おちおち政治もしていられないわけよ。TPPだけど、国の行く末とか、国際情勢とか、大事なのはわかるけど、やっぱり食べ物は守らないと、と基本的な生存本能で思います。

ルーブル美術館通い9

今回はメモ風にいろいろ書きます。

リシュリュー館の彫刻を見ていたら、アントワーヌ=ルイ・バリーという人の作品が集まった部屋があった。私は彫刻にはまったく疎いので、きっと有名な人なんだろうな~と思ってみていたら、「ワニだかクロコダイルを食べている虎」というすごく迫力ある作品を発見。すごいです。

ところが、なんだか似たよ~うな作品が、いくつかまとまって展示されているのです。心なしか、他のはイマイチな感じ。日本語の解説版があったので見てみると、やはりこの虎が一番有名らしい。

なんでもそうだけど、つくった年齢というのは大事だと思う。他の作品に比べて、この作品は40歳くらいの油がのっているときにつくったもののようだ。他のは60歳くらいでつくったものもあった。人気が出て「もっとつくってください!」という依頼があったのかな、なんて想像した。

一流というのは、疎い人にも関心が低い人にも感動を与えるものだな、と改めて思った。

次の間には、女性の彫像があって「ルイ=フィリップの注文」とあった。ルイ・フィリップっていうのは、フランスの第二王政の国王です。彼の依頼の女性像なんだから、当然高貴な人なんだろうと思うけど、「ん?」と思ったのはそこじゃない。

marie.jpg

考えてみたら、こういう彫像って見たことないと思ったのです。

この像・・・偉い人が描かれるのは、絵画には昔からよくある。でも彫像って、君主とか将軍とかはあるかもしれない。そうすると男性。しかも「決まり!」というポーズが多いと思う。でも、この彫像は、女性である上に、なんかこう自然な感じのポーズ。すごく珍しい感じがしたんです。後で調べたら、マリー・アメリー・ド・ブルボンで、ルイ・フィリップの妻でした。作者はFrançois Joseph Bosio。モナコの人ですって。でもこの人のほかの作品は、いかにも伝統的な彫刻だけどなあ。

西欧の彫像って、ほとんどがキリスト教関連か、ギリシャローマ風。テーマが自由になるのは、近代のことなのでしょうね。それにしても、近代では動物とかテーマは広がっても、人物像にはまだ定型があるような気がする。ロダンみたいにもっともっと人間像の表現が自由になるのは、近代と言うより、現代に近いのかなあ・・・。詳しくないので調べてみようっと。

そう考えてみたら、前に見たアントワーヌ=ルイ・バリーはたくさん動物の彫刻をつくっていて、ルーブルに展示がある。でも待って、動物の彫刻って近現代以前にあったっけ。足元に動物がいるとかいうのはあるかもしれないけど、動物単体の彫刻ってないかも??? エジプトにはあんなにたくさんあったのに。(エジプトは動物の形をした神様だと思う)。絵画にはよく動物がわきのほうに描かれている(これは確か。私はネコに目がいくのだけど、前に一度ルーブルに一緒にいった友達は犬好きで、絵画に犬が描かれているたびに、「おお犬だ!」と喜んでいたので)。彫刻はどうなんだろ。

さて、お次は絵画。佐村河内氏のことばっかりニュースを見ていたので(笑)、突然あの有名な絵「いかさま師」が見たくなったのです。そのほか、まとまりがつきにくいのか、雑然と色々置かれている印象の部屋を見た(エレベーターを降りてすぐの部屋)。特に一般に有名な絵はないのだけど、一点気になる絵が。
これです。↓

samuel.jpg

すごーく現代的だと思ったのです。
なんだか現代アメリカ絵画と言われると、信じちゃいそうな感じ。
Samuel van Hoogstraten 1626-1678 Dordrecht
とクレジットにはありました。
こんな絵が17世紀に描かれているなんて。なんだかすごくびっくりです。
家で調べてみたら、レンブラントの弟子でもあったらしくて、有名なオランダの画家みたいです。
他の絵はそんなに驚くほどじゃない感じでしたが

実物を見て知るって、面白いな。
日本にいると、西洋の芸術家については「あの有名な××さんの作品を見に行く」という感じだったものね。最初っから予備知識がある。

ルーブルを片っ端から見ていると、自分なりの発見があって、とても楽しいです。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。