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ルーブル美術館通い3

今日は、リシュリュー館の日本式1階、ピュジェの中庭とマルリーの中庭にいった。

お天気も悪くなかったし、細かいものを見る気になれなくて。ここの二つは、元々野外に飾られていた大きい彫刻が多く、空間を楽しめるので、ここにした。

ピエール・ピュジェはマルセイユ生まれで、イタリアでバロックを学んだ、17世紀の彫刻家。画家でも建築家でもあるんだけど。父親が2歳のときに死んで、家庭はとてもつつましかったらしい。「フランスのミケランジェロ」と呼ばれている。

「アレクサンダー大王とディオゲネス」という彫刻というかレリーフがすごく有名で、ルーブルにある。

ディオゲネスは哲学家。大王に「私はディオゲネス、犬です」と答えたということだ。

「犬」とは、反骨精神をあらわす比喩で、大王に「なんでも望みのものを一つかなえてやる」と言われて、「そこにいると日光のじゃまだからどいてください」と答えたらしい。

ちょっと思ったけど、西洋というのは、キリスト教美術以外だと、ギリシャ・ローマになってしまうのね。近代になるまで他になかったというか、唯一それなら社会的に許容されたというか。近代になってくると、身近なものを描くことができるようになる。さらに時が進むと、抽象画が生まれる。
前にポンピドゥー美術館で座っていたら、男性が話しかけてきた。チェコ人の美術の先生だって。日本美術好きで日本びいきだから話しかけてくれたみたい。なんでも抽象画は、当時芸術のパトロンになっていた人が、アメリカの大金持ちのユダヤ人が多かったから、抽象画になったと言っていた。ユダヤ教は偶像崇拝をしない宗教だから、抽象画を好んだらしい。なるほどね~と思いました。でもその人は、「豊かな芸術を抽象画で壊された」みたいな意見をいっていて、あまりユダヤ人が好きじゃない雰囲気だった。

話は戻ってピュジェだけど、時の権力者ルイ14世の好みに合わなくて不遇だったというけど、ちゃんと国の保護をうけて作品をつくっている。一生不遇だったゴッホとは違うみたい。

大理石の彫刻を見ると「西洋」という感じがする。
日本で大理石の彫刻家になろうという人は、いないわけじゃないだろうけど、少ないでしょうね。
木彫りの像なら、アマチュアを含めてたくさんいると思うのだけど。

ピュジェは「じっとみつめていると大理石がざわついてくる」と言ったらしい。
同じことは木彫りの彫刻家も言っている(ガラスの仮面参照)
中から「出して」と素材が訴えてくると。
同じ感覚のように聞こえる。

彫刻家のエスプリは、洋の東西をとわないのかも。

追伸
ルーブルの無料案内地図に「すりにご用心ください」のタグがつくようになった。フランス語と英語でなんて書いてあるか知りたかったので、見たけど、このタグはなかった。「できたばっかりで、まだついていない物のストックがたくさんあるのかな」と思ったけど、違うみたい。ロシア語とか他の言語にもなかった。韓国語と中国語にはあった。案内の人に聞いてみたら「一番すりに狙われやすい人たちの所だけつけた」という。「アジア人は狙われやすいということですか」と聞いたら、にっこり笑った。行く方は気をつけてくださいね。
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