SSブログ

ウイーン・フィルのニューイヤーコンサートを見ながら思うこと

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

どんな方が読んでくれているのかな~と思います。
全然アップしない長い期間があったのに、アップするようになったら、また以前のようなアクセス数に戻りました。
実は結構なアクセス数で、なんでだろう・・・と思っています。ネットは不思議ですね。

新年の最初はルーブルのことにしようかなと思ったのですが、別のことにします。

ウイーン・フィルのニューイヤーコンサートを見ました。
欧州だと、お昼が終わったあとくらいの時間に生中継です。日本だと、夜ですね。

見ていて思ったんですが・・・・・・。

なんでオーストリアは王室をやめてしまったんだろ。
いや、革命を起こして、民主主義を手に入れたのはいいのです。
でも、王室を戻したっていいのに。
スペインは戻しましたよ。
二つの大戦前と後のヨーロッパの地図を眺めていると、どう見ても一番没落したのはオーストリアです。

ウイーン国立歌劇場(とウイーン・フィル)の保守主義は有名です。
前々代の総監督ヴェヒターは、国民の一部からも「ヒトラー2世」と毛嫌いされる人でした。在任期間が短くてすんだけど。
前代のホーレンダー(ルーマニア出身)はマシだったけど、それでも日本人音楽家はいじめぬかれたといいます。関係者情報によると、小澤 征爾さんがウツ病だったのは、いじめのせいだったそうです。
(今の総監督はドイツ人で、Dominique Meyer という人だけど、どんな人なのだろう)
ウイーン国立歌劇場=オペラの牙城=白人の牙城、ということで、日本人など「イエロー・モンキー」ということなんでしょうか。
(もっとも、一般市民から見たら、脅威になるほど日本人もアジア人もいないでしょうけど。)

オーストリアの政治そのものが、とっても右より。
保守的というか排他的というイメージ。
どこの国の人に対して特に排他的なのかしら。

確かに、伝統はすばらしいですよ。
伝統を残すことも、大事なことですよ。

でも、伝統「も」残すのではなく、伝統しかない。伝統にしがみついている。
「伝統を失ったら、自分たちにはもう何もない」といわんばかりに。
そんなくらいなら、王室戻せばいいじゃないか、と思うのです。
失われた栄光を嘆きしがみつくよりも、王室もっていれば、「威勢は衰えたけど、まだ生きている力」になりますよ。
王室外交をとおして、国に力が加わります。外交パイプも増えます。下世話な話だけど、色々イベントやれば、観光収入にもなる。国民だって伝統の美しいイベントや儀式を見るだけでも、誇らしい気持ちになれるでしょうし。
ハプスブルク家ともなれば、いくら衰えても、欧州の人々は一目おきます。

オットー・ハプスブルクさんは、帝国の最後の皇太子で、数年前になくなりました。98歳。
欧州議員で、欧州連合を強く支持していました。
葬儀の模様は、帝国の最後の栄光を見せるようなものでした。
記憶が間違っていなければ、確か、彼がかつてもっていた、たくさんの「××国(公)皇太子」の肩書き、その××国(公)の旗(だったと思う)が一堂にかいしていました。
↓私が見た写真は、お葬式が行われた聖堂の中だったので、もっと華やかに見えました。
otto.jpg

右翼になるくらいなら、王室を復古させればいいのに。
そのほうが、人々の心が安定すると感じるけど・・・。

でもきっと、一度没落すると、大変なんでしょうね。
確かに、ハプスブルク家のあり方(連邦国家)は、欧州連合の発展とともに見直されてきた。
東方に拡大したことで、きっとさらに見直されているのだと思う。
でも、オットー氏は世代から考えても、「皇太子」という出自からも、「帝国」の思想から完全に自由になることはなかったのでしょうね、きっと。
だから、彼が王位に戻ることは絶対になかったのかなと想像します。
でも、だからこそ、一市民となっても、ある種の「権威」はあったのでしょう。
家をついだのはカールという長男ですが、彼が生まれたときは、もう帝国はなかった。
しかも、普通の人と結婚している。
でもこれは、他の王室も同じよね。
日本の皇室だってそうだし、欧州の王室も同じ。
権威って一度失墜すると、大変だわ。もう取り返しがつかないみたいな感じ。

王家がなくなるのって大変みたい。
前もこのブログのどこかに書いたけど、フランスは何度もゆり戻しを経験した。王政復古、帝政を経験して、200年近くたって、やっと今の形に落ち着いた。王室を倒してでも得るべきものがあったと、この国にいると感じる。
それは「平等」。
「自由」も大事だけど、自由よりも平等かな、と感じる。

ほとんどの国は、もちろん革命のおかげで民主主義国家になって、それはとても大事なことだったし、必要なことだった。でも、フランスほどの「苦難の中で勝ち取った、世界に誇れる輝かしい大義中の大義」まではもてない国がほとんどで、やっぱり大変だと思う。
結局、「王室を保ち、でも主権は市民に」というのが、一番順当というか、摩擦のないやり方かなと思う。(もちろん、もともとの状況によって、できる国とできない国があったのですが・・・。)
イタリアもドイツも、一応いるかいないかわからない大統領がいるのは、王室のかわり。

それにしても、イタリアの大統領は「ここぞ」という時に出てくるけど、ドイツが出てくるの聞いたことないわ。
私が知らないだけ? メディアが報じないだけ? それとも元々ないの?
(イタリアの大統領は、、ナポリターノと言う人です。一度聞いたらすぐ覚えられる。イタリアにぴったりの、なんだかおいしそうな名前・・・)

フランスに長くいると、「なんで王室があるの」という発想になってくる。
こんな発想、日本にいるときはもったことがなかった。発想の転換だなあ。
アメリカとかに暮らしても、こんな発想はもたないでしょうね。もともとないんだから。

王室を倒した国は大変だ。
20世紀の後半は「アメリカとソ連の対立」の時代だったけれど、欧州に関しては「王室をたおした穴埋めを模索した時代」とも言えるでしょうね。
私には一番わけわからないのは、スウェーデンの王室だけど・・・。あれはほんと謎だわ。
他の地域の王室はどうなっているのでしょう。
あの美男美女の、心優しくめちゃくちゃ頭が良いブータンの国王夫婦のことを思い出しちゃった。
東日本大震災のお見舞いに、自ら出向いてくださって、ありがとう。
やっぱり王室外交は、あると国の強みだと思う。

ちょっと色々調べてみることにします。
でも、王室の現在を知るのには、フランス語は向いていないな。
自分の国にないから、圧倒的に感心が低いのよね。
まったくないわけじゃないんだけど。王室ニュース専門の雑誌も2つくらいあるし。
王室ゴシップが好きな人とか、なんだか華やかなイメージがあこがれという人はいる(女性に多いかも)。
フランスの場合、モナコ王室が代用(?)みたいになっている。
でも、ただの好奇心レベルかな。
王室関連の今を知るなら、やっぱり英語のほうがいいでしょうね。
ロンドンにはますますなじんでいるから、良い機会だし、今年はちょっと調べてみようかな。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。