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アウグストゥス展に行きました!欧州の何世紀にもわたる大勘違い?

ごぶさたしております。
更新できなくてすみませんでした。

先日、グランパレでやっていた、アウグストゥス展に行って来ました。「我れはアウグストゥス、ローマ皇帝」というものです。もうしあさっての7月13日で終わりで、週末はこみそうなので、金曜日の夕方に行って来ました。

auguste-affiche.jpg

http://www.youtube.com/watch?v=o17VDqTsKLA

http://www.dailymotion.com/video/x1lryv2_auguste-une-saga-a-la-romaine_creation?start=1

こんなに男性が多い展覧会に行ったのは、初めてです。金曜日の17時過ぎだったのですが、わりと年配の、ちゃんとしている感じの、身なりの良い男性が多かった。年配のご夫婦もいたし、普通の男性もいたし、頭がパンクの若めの男性もいました。もちろん女性もたくさいいましたがね。私の展覧会の観覧史上で、これが男性が一番多かった。

ご想像のとおり、ローマですから、彫刻やレリーフが多かったです。
展覧会の最後に飾られていたのは、超巨大アウグストゥス像。あんな大きいのもあったのね。

彼じゃないけど、3頭政治の本当に3頭が並んでいました。
左から、カエサル、ポンペイウス、クラックスです。クラックスの顔が恐かった。

3tou.jpg


展覧会を見ていて、意外だったことが二つ。

ローマ時代に使っていた家具の一部があったんです。
ローマって言うと、建築とか彫像のイメージが強くて、家具って意外でした。
壷とかは見たことがあるような気がしますが。
考えてみたら、人は住んでいたんだから、家具はあったはず。

あるものを「これは何だろう」と考えるのは普通ですが、ないものを「なぜないのか」ってあまり考えません。私もきっと漠然と「古いから、もう失われてないのだろう」くらいに思っていたのでしょう。意識したこともありませんでしたが。
そう考えると、古代エジプトがあれほど残っているのは、逆に奇跡に近いですね。
砂漠の砂の中に埋もれていたのかしら。それともピラミッドのおかげかな。

ポンペイ出土なんてのもあって、面白かったです。

rousoku.jpg

キャンドル立て
紀元後1世紀の前半。Herculanumで発見。ブロンズで銅と銀がはってある。
ローマの家のなかには、たくさんの灯りがあって、簡単に移動できるランプ立てを使っていた。
アウグストゥスの時代には、真の芸術品となり、持ち主の社会的地位を示すものとなった。
ディオニュソス風(バッカス お酒の神様)の飾りで、反射鏡の所にぶどうの木の葉の形や、ろうそくを支えるところにアッティスの形がある。


もう一つは、色。ローマの建築や町が、かつてどのような色をしていたか。
いくつかビデオやパネルがおいてあって、研究による色の復元が3Dで見られたんです。
建物すべて白い大理石というイメージがありますが、実は色がついていたようです。

びっくりしましたよ。カラフルで鮮やかでした。
今のイタリアにつながるような色の数。
私は特に、イタリアで伝統的に見る、レモン色と緑と空の青のコントラストが印象的でした。フランスのイタリア国境の町マントンもこんな感じですね。
家の中はともかく、外も色がついていたんですね。
もちろん、全部じゃないです。建物全体にはついていません。レリーフとか、ポイントのところとか、屋根とかです。町は色であふれていたみたいです。

動画サイトにも、アップロードされていました。フランス美術館の方、ありがとう。

http://www.dailymotion.com/video/x1tfopr_le-forum-d-auguste_creation#from=embediframe

http://www.dailymotion.com/video/x1lf32g_l-ara-pacis-d-auguste_creation?start=153

そういえば昔ローマを訪れて、観光客には有名じゃない古い教会を見ていたら、男性が声をかけてきました。
その人は、教会の上のほうで発掘・研究をしている人で、本当は立ち入り禁止なんだけど、入れてくれて自分がやっていることを見せながら説明してくれました。フランス語まじりのイタリア語だったからよくわかんなかったけど。。。その1枚の何かに、わずかな色が残っていたんです。すっかり忘れていたけど、この展覧会を見て思い出しました。まあ教会ということは、ローマ帝国が滅びたあとの建築でしょうが、でも古いと色がないのは常識な感じですもの。昔からないわけじゃなかったんですね。風雨にさらされて、落ちちゃっただけ。

そう考えると、ヨーロッパのあちこちに「ローマ風」の建築がたっていて、全然色がついていません。「すべてが白い大理石で、シンプルさの中に威厳をたたえている、ローマ風の荘厳なすばらしい建物」というのは、実は大きな勘違いということなんですかね(汗)。ヨーロッパ中、勘違いの建物だらけ、ということになるのかな。ひえー。
フランスについて言えば、パリのパンテオンも、アサンブレ・ナショナル(国民議会)も、ぜーんぶローマ風の建物で、まったく色がついてません。あれらはすべて「勘違いの産物」ということになるのか・・・。「何世紀にもにわたって大きな勘違いが、ヨーロッパ中を覆った」というなのかしら。。。汗・汗・汗・・・

 ↓ パリの国民議会。
anp.jpg

 ↓ ベルリンのブランデンブルク門。これも本当ならレリーフに色をつけるべき?
Brandenburg.jpg


「足利尊氏」と信じられていて、教科書にまで載っていた絵が実は違った、というのの100万倍くらいのショックでしょうかねえ(苦笑・・・)
前に足利尊氏を演じた俳優が、「いつもあの絵をおいておいて、役づくりに行き詰ったとき、絵をじっとみながら、問いかけて考えていたのに。あれは別人だったのか!」とショックを語っていました。

 ↓ これ、実は別人でした。。。
ashika.jpg

同じようなショックを受けたローマ風建築=ヨーロッパ建築関係者が、死んじゃった人もいれると、5000万人くらいいそうだわね。ショックのあまり、お墓のなかで動いてたりして・・・。

いまの研究の技術ってすごいものね。
これから、ヨーロッパ中のローマ風建築に、色をつけるのが大流行するかもしれませんよ。
ていうか、私が偉い人なら「色づけプロジェクト」を、国家プロジェクトとして立ち上げちゃうかな。


おまけ
アウグストゥスの後ろ(オクタビアヌス時代の若いときのもの)。くるくるの後れ毛はありませんでした(笑)。まあそりゃあそうよねえ。後れ毛は、髪の毛を結ったときに出るものだから・・・。
ushiroa.jpg


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